百合と漫画と光る苔

百合とゲームが好きです

DDRで「遊び」たい!  ――『exotic ethnic(ESP)』譜面解析:習作

 思いつきを数字で語れるものかよ!
    ――『戦姫絶唱シンフォギア

 面白いのだ.とにかく面白い.何が面白いと言われると理由を3つほど挙げたくなる.

 ※色々ミスってたので修正中


 ひとつめ.音楽ゲームとは,音楽に合わせて操作をすることで,BGMとの一体感を楽しむものである.例えば街を歩いている時につい鼻唄を歌うような,もしくは,ヘッドホンを付けて机に向かっていながら無意識に聞こえてくる曲の指や足でリズムを取ってしまうみたいに.音楽を聴く,とは単純に考えれば受動的なものである.なにせこちらからの行為は聞いている音楽に影響を及ぼさない.しかし,先のようなフィードバックにより,わたしたちはようやく「能動的に音楽を聴くことができる」のだ.リズムを取る行為はより曲に陶酔・没入・覚醒を強制する.

 仕組太陽は、「自分が太陽の中に入っていくんだなあ、銀河を探訪してるんだなあ」、と感じられ、惑星を彩るSIRIUSにふさわしい曲


 ふたつめ.体を動かす,というのは単純にして最高の歓びである.なにせわたしたちは驚くべきことに,「体を動かそう」と考えるだけで体を動かすことができるのだ.試しに目の前にある<<A・O・J カタストル>>に対してひたすら「動け……動け!」と念じてみたがぴくりともしない.自分が最も意のままに動かせるものを好きなように操作できるとは,これが楽しくなくてなんだというんだろう.そしてこのゲームに重要な要素として「体力」がある.かつこのゲームのゲームオーバー条件が「曲をプレイ中にステップが踏めなくて,ゲージがなくなり続けること」である以上,悔しくも「閉店」してしまう瞬間には,自身は刀折れ矢尽きた満身創痍.つまり,死ぬほど必死で疲れて頑張ったのにクリアできなかった,という壁にぶち当たることとなる.この「全力で体当りする」という姿勢を半ば強要するようなシステムは,いかにも挑戦的で非常に心地良い.

 レベルアップですぜ あんたもせいちょうしたもんだ

 みっつめ.音楽ゲームは受験勉強のように,「反復」「研究」「実践」「復習」のサイクルを辿る.なによりプレイヤーの実力がゲームとしての面白さに直結しているのだ.特にこのモードは,「パネルが8つと自由度が高く」「体を捻ったり背を向けたり,ましてや回転したりと踏み方が色々考えられ」「右足から入るか左足から入るかといった一瞬の判断も要求される」と,まるで知力体力時の運を全て要求するようなシステムであり,シンプルに「パネルが2倍で楽しさも2倍だぜ!」と快哉を叫びたくもなる.


 ……そんなわけで,『Dance Dance Revolution』のダブルプレイが面白いよ,というお話.さてこのダブルプレイというモード,前述の通りシングルプレイに対して圧倒的に自由度が高い.特徴的なのは,左右のパネル往復するような「左右振り」配置である.体が左に行ったり右に行ったりと,体の中心を安定させつつ勢いを上手く殺すようなブレーキをかけなければならない.これ自体は振り回されるのすごい楽しいし面白いし疲れるしで良いのだけれど.

 曲をプレイする前に,足譜面の傾向がレーダーチャートとして表示される.例えばジャンプが多かったり,より高速でタップダンスを踏まなければならない,など.これを見ることで「どんな譜面が降ってくるか」がある程度想像できる.……しかしこのチャート,左右振りのレベルは確認できないのだ.見事に初見殺されたので,どうにかこの「左右振り」を数値化したいなあと思ったのが事の始まり,地獄めぐりの片道切符.

 いきなりDPで試してみると泣きそうになったので,まずはSP,ソフランや16分がなく移動がちょっと多そうな『exotic ethnic(ESP)』で試してみた.
http://www1.axfc.net/uploader/so/2893914.zip

 大雑把に言えば,「各足はそれぞれのパネルの中心を踏み」 「右足と左足の中点に体の中心があり」 「体の中心の座標の(総)移動距離が体の移動度である」という前提で,仮想的な交互踏みを行った場合に移動度はどうなるか,というのをExcelで求めてみたもの.

 例えば右足で,左足で,右足でを同じ順番で踏むことを考える.このときの体の中心(Heart)は,まず右足で→パネルを踏んだ時に若干右に寄る.そしてそのまま左足で↓を踏むと,右足が→,左足が↓にあるため,体中心はちょうど右下のほうにあることになる.同様に右足で↑を踏むときには,左足が↓,右足が↑ということで,体中心はちょうどど真ん中に当たるだろう.その時の,体中心の移動距離(移動度:Mobility)を計算する.

Heart_X Heart_Y Mob_X(cm) Mob_Y(cm) Mob_Sum(cm)
0 0
+15 0 +15 0 15
+15 -15 0 -15 15
0 0 -15 15 21.21

(パネル1枚を30 cm四方,原点を上下左右4枚のパネルの中心としている)

 同時踏みならば話は簡単で,単純に前後を無視して体中心をその2パネルの中点に移動させるだけ(上の例で,→の後に↓と踏んでも,→↓の同時踏みでも,体中心座標は変わらない).フリーズアローは擬似的に縦連打としても,移動距離を出すだけなら問題ない.同様に,右足と左足のどちらで入るか(=ひねり)も重心移動自体には何の影響も及ぼさないので今のところは措いておく.つまり,体中心の座標を求めるだけなら「今のノート」と「直近の違う足で踏むノート」の2ノーツで十分であり,実際にそれで計算した.


 具体的にExcelデータを見ながら解説を.

 Sheet1,A列はBPMを書いただけ.計算には使っていない.

 B-G列は譜面領域.1,2行目はやはり使っていない.4行目からは譜面を●DDRers' Stompin' Ground様からお借りしたものを手打ちでセルに移したもの.ただし,時間軸はBPMから計算した「曲開始からの経過秒」を使っている.

 J-O列は同じ譜面だが,右足と左足のどちらを使うかをマーキングした.ただし,更に右の分析領域で1,2行目のID, ID 2を使っていく.同時踏みの場合は矢印に対応したID 2(1を除く2の乗数)の和で,連続踏みの場合は右足を正,左足を負としたID(24を超える素数)の積を使って,各々の踏み方に名前をつけた(Q列:Product_ID).その名前を参照して2シート目のRef. areaシートから体中心座標(R,S列:Heart)を引用し,前項との移動ベクトル(T,U列:Mobility (cm)),ベクトル長(V,W列)を算出しておしまい.

 問題点

  • 譜面を打つのが面倒臭い
  • 左右の足の振り分けが恣意的
  • フリーズアローを縦連打と近似しているためにいろいろカウントが出来ない
  • 時間軸を秒数でおいているために,ソフランや停止の場合は嫌になる
  • 1小節も16分が混じってくるとこんなに綺麗に書けない
  • Excel
  • DPの場合,2の乗数やら素数やらは数字が大変なことになりそう
  • 何の意味があるかわからない

 展望

  • SMファイルあたりから譜面を読み出したい
  • ひねりにも対応させたい.単純に考えれば,ひねりも含めた体の移動距離は,上から見た人間の右足から左足までを横棒に例えて「平行移動+回転移動+拡大縮小」を行った場合の掃過する面積になるはず
  • 左右の足の振り分けもオートメーションに

 最後に,これくらい華麗に踊れるようになりたいです.この計算がそのために何らかの寄与があるとは全く思えないけど.

DDRMAX -Dance Dance Revolution 6thMIX- ORIGINAL SOUNDTRACK

DDRMAX -Dance Dance Revolution 6thMIX- ORIGINAL SOUNDTRACK

  • アーティスト: ゲーム・ミュージック,テンス・プラネット,セント・ジェナーロ,BeForU,カートゥーンズ,ソータ・フィーチャリング・エボニー・フェイ,ジェニー,システムS.F.フィーチャリング・アンナ,ピート・シェリー,テス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: CD
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