百合と漫画と光る苔

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『FINAL FANTASY X-2 INTERNATIONAL+LAST MISSION』感想

プレイ時間:230時間(寝落ち,放置込み) 1周(コンプ率60%超),クリクリ88%

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!「おれは 『FF』をプレイしていたと 思ったら 『サガ』だった」


FINAL FANTASY X』の続編で,前作の主人公である「ティーダ」を探すために前作のヒロインである「ユウナ」が主人公として,スフィアハンター(空賊)となって世界中を飛び回るストーリー
とにかく,前作の重苦しい雰囲気や一本道ゲーっぷりと対照的に,軽く明るい話の展開に溢れるほど塗れるほどの自由度,なによりユウナの(第一印象における)変貌っぷりに度肝を抜かれる
戦闘もATBに戻ったことに加え,戦闘中にジョブチェンジをする「ドレスアップ」のお陰で難しいし面白い.が,それに加えてこのゲームでは「FFXモンスターズ」とでもいうべき,モンスターを仲間にすることができるシステム「クリーチャークリエイト」が導入されている
モンスターに命令はできないため制御することがあまりできず,覚えているアビリティをランダムで使う.アビリティは基本的にアクティブ4つパッシブ4つしか覚えさせられないから,取捨選択が非常に重要
どちらかといえば,続編と言うよりはスピラを舞台にしたミニゲーム集といったところ.ただし,2週目引き継ぎがあるから無駄になる要素はない.……言い換えれば,どんなこともやらないとベストEDに辿りつけない
総じてやりこみ要素はぱっと見の軽さに反して非常に高く,FF8FF12が好きなら自然にハマれる.ユウナのアレっぷりだけで忌避するには余りにももったいないほど面白いゲーム

気に入らない所
・ストーリーが心底どうでも良かったで御座る
・モンスターが勝手にアビリティを覚えるのが非常に邪魔.封印とかあったらよかったんだけど
・ノーコストで仲間を無敵にする行動はやり過ぎ感.入手にはかなりの手間はかかるけど
・ミニゲームが心底ダルイ.特にブリッツボール.確かにアニキで釣ってゴール前パスからのシュートで終わるのもアレだったけど,だからって完全にシミュレーションにしなくても
・なぜ人生を解放すると該当モンスターは消えてしまうのか.必死にアイテムを貢いでたのに馬鹿みたいじゃないか

好きな所
・シナリオと戦闘両面における高い自由度と軽さ
・クリクリ.自動戦闘は楽しくもあり辛くもあり.でも,生者にアレイズかけるのだけは勘弁していただきたかったけど

FFX-2』というゲームでは,明確に世界が分断されている.前作『FFX』で連綿とした世界を一本道に辿っていったのとは対照的に,このゲームはシナリオ面において「サガシリーズ」のように自由をプレイヤーに強いる

その分断された世界を繋げる糊は何か.それはプレイヤーの培った『FFX』の知識であり,モンスターの視点から世界を眺めた「魔物人生」であり,各種通信スフィアである.黙っていても多くを語ってくれたキャラクターはもう居ないし,なによりこのスピラという世界は変革の最中にあるのだ.能動的に世界に関わらなければ何もわからない

なにより主人公かつ前作でヒロインを務めた「ユウナ」の変貌は今作との対比の嚆矢であり代表である.見事に前作とは正反対な軽いノリ――これは「X-2スピラ」の至る所に見られる差別化点だが――を披露する様に,前作の「シナリオ重視の重い話」を好むユーザーは見事にふるい落とされた

つまりは,このゲームは前作と客層が全く違うのだ.重いストーリーを与えられる前作か,軽いミニストーリーの間を自分で補完する今作か.一本道を突き進む前作か,多肢を駆け巡る今作か.ただし,どちらも戦闘関連が面白いのには変わりない

結論:スフィアブレイクで使ったコインが戻ってこないのはおかしい