ソードマスターが弱い世の中に誰がした? ――こざき亜衣『あさひなぐ(5)』感想
なぎなたをテーマにしたガールズ部活もの.主人公・東島旭は中学校では文化系の部活で,運動もあまりできないメガネっ娘.それが,高校でちょっとしたきっかけと策略により「なぎなた部」に入ることになって……という粗筋.
正統派のスポ根漫画で目頭が熱くなる.旭は素人の癖に熱くなりやすいし調子に乗るタイプ.武道をテーマにしているから,その低沸点っぷりがよくマッチしている.というか同じ部活のメンバーも大体血の気が多い娘たちで見事に泥臭く暑苦しい.そこが魅力なのだけれど.
そして旭の中途半端さが,中途半端さこそがこの展開を成し得る.初期パラが低いユニットは成長率が良くないとバランスが取れないはず.バランスが取れないユニットを使い続けるためには愛と気合.ワユを使い続けるにはクラスの仕様が足を引っ張りまくるが,しかし最終戦まで連れて行った人は多いに違いない.
ガールズコンテンツなのに武道描写が先行してあまり百合っぽさは感じない……が,着実に惹かれるものはある.間違いなく百合厨を釣りに来てるぞこの巻!
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